kasiraな私


・・・あたし、未成年だよね?


なのにお酒飲まないとだめ?


・・・ってかそんな事気にする人たちだったら、未成年のあたしを無理やり組長になんかさせないって。


あたしは鼻で息を止め、一気に盃の中のお酒を飲み干した。


・・・っ!!!


喉が・・・焼けそっ!!


「すべて、飲み干されました。御両者、お席をお替り願います」


媒酌人があたしと三枝に深深く頭を下げた。


あたしは脇に用意してある白いハンカチを片手に広げ、盃が割れない様に丁寧に包み、着物の胸元へ閉まった。


そして媒酌人につられ、一緒になって深深く頭を下げ返した。


そんなあたしを見て三枝は、


「お嬢、席・・・替わりますよ。こちらに移動して下さい」


と小声であたしに合図を送った。


はっとして立ち上がったあたしだけど慣れない正座で足はしびれて大変。


そんな事を他の人に悟られない様に、あたしは三枝が今まで座ってた席へ再び正座をして座り込んだ。


三枝もあたしが座ってた席へ着き、媒酌人が両手を出して、


「お手を拝借!おめでとうございます。席が替われば当代です」


と言い、幹部共々一本締めをした。


はぁ~~~。ぱんっ!!


あたしの背中には、白い布に『後藤組2代目 後藤 藍』とでかでかと書かれた幕が垂れ下がってる。


かなり恥かしいよ。これ・・・
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