Virus
瞳「あっ!」


研究所が爆発した。


映画のワンシーンのような光景だ。


瞳「ゼロ…皆…」


瞳が呟く。


涼「瞳……。大丈夫…もう終わったよ…」


涼が瞳を引き寄せた。


瞳「うん……」


瞳は涼に寄りかかって静かに泣いた。


――――


祐「終わった…な」


祐騎が流架の背中に寄りかかって言った。


流「終わった……ね」


流架は静かに呟いた。


祐騎がライターを出して煙草を吸い始めた。


流「もう…すぐ吸うんだから…」


祐「うるせーな……。にしても……たった2人か…。本当情けない…」


祐騎が呟いた。


流「そうだね…。でも、“0”と“2”では違うよ」


祐「ふっ…。そうだな…」

「全く…よく無事で戻って来てくれたよ」


流架に捕まれた隊員が言った。


祐「無事じゃねぇだろ…って…」


祐騎が腹を抑える。


「ハハ。しかし、驚いた。祐騎に胸ぐらを掴まれる事はあっても流架に掴まれるなんてな」


流「しょっ…しょうがないだろ!あのままじゃ、皆危なかったし。それに…祐騎が…死んじゃうんじゃないかって…心配で……」


流架が恥ずかしそうに言った。


祐「あぁ…そうか…。正直、もう駄目だと思ってたからな…」


流「祐騎が死んだら…俺…」


流架が静かに言った。


祐「流架……。そうだったな…悪かった…」


祐騎が煙を吐きながら言った。
< 397 / 426 >

この作品をシェア

pagetop