群青色の空に
しばらく庭で立ち尽くしたのち、
幸は口に手を当て、はっと息をのんだ。
「わ、私ったら、また・・・
瑠璃様、こんな寒い中で。」
幸は自分の思ったことを言い、
感じたことをそのまま表現する。
それは簡単なことかもしれないが
私にはできないこと。
「・・瑠璃様?
早く屋敷に戻りましょう。
きっと新しい仕え人の方も
来ていらっしゃるでしょうから」
幸は不思議そうに瑠璃の顔を窺う。
「そうだな、戻ろう。」
幸は微笑むと瑠璃の後をついて行った。