女王様とお調子者 **恋の花が咲いた頃**

「ほら!ふざけてないで、早くスタートライン立て!」

「へいへい」

「返事はハイだ!」

「ハイ!」

…小学生みたい。

「ったく…。ほら、全員位置につけ!」

呆れた様子の竹田が言う。

あたしから見て1番手前に佐伯、鈴木、後、2人うちのクラスの男子が並ぶ。

「位置についてよーい」


竹田の声に、佐伯の横顔が真剣な表情に変わる。

――ドキッ

そんな佐伯が一瞬こちらを見て、目があった気がする。


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