【完結】しゅがぁLOVE
お砂糖みたいな甘い味
「おーい、佐倉ぁ!」
「なんや」
一週間が経った。
意味も無く廊下を歩いていたとき、
聞き慣れた声がして。
振り返れば担任が、気持ち悪いくらいニッコニコしながら歩いてくる。
「なんや、じゃねーぞお前!俺が“なんや”だっ」
「だからなんなんじゃ」
異常なまでのテンションに若干引きながら尋ねると、フッフッフッフと不気味に笑いながら紙切れを出してきた。
あ、今日はハッハッハッハじゃないわけ。
いつもよりなんか悪そうな笑いじゃん。
なんてどうでもいいことを考えながら、その紙切れに目を移す。
……おぉ?
「お前、もう先生嬉しすぎて一人でソーラン節踊っちゃったじゃないか〜」
一人ソーラン節は…キツいな。
しかもこの中年親父がやってんのかい。
想像すると堪えきれずに唸りそうになる。
「ほら、96点!」
その言葉に、ハッとしてその紙切れに視線を戻すと、あり得ないくらい赤丸がいっぱいあり。
上に大きく96の文字。
そして隣には、たしかに“佐倉杏”の名前。