欠陥ドール
難しい話はよく分からないけど、リタの家は国を治める領主で、リタはその一人息子。
だからこういうパーティーも親同士の社交の場だって聞いた事がある。
でも、これ以上は余計な詮索はするなとカナンに怒られた。
「……カナン、ずるい」
よく分からないモヤモヤしたモノが、胸につっかえて、取れない。
「何がだよ?」
「だってカナンはリタの誕生日パーティーに出られるんでしょ?」
胸が苦しくて、モヤモヤが飛び出してきそうで唇を横に結ぶ。
だってあたしは出られない。