欠陥ドール


難しい話はよく分からないけど、リタの家は国を治める領主で、リタはその一人息子。



だからこういうパーティーも親同士の社交の場だって聞いた事がある。


でも、これ以上は余計な詮索はするなとカナンに怒られた。




「……カナン、ずるい」



よく分からないモヤモヤしたモノが、胸につっかえて、取れない。



「何がだよ?」



「だってカナンはリタの誕生日パーティーに出られるんでしょ?」



胸が苦しくて、モヤモヤが飛び出してきそうで唇を横に結ぶ。



だってあたしは出られない。
< 12 / 60 >

この作品をシェア

pagetop