欠陥ドール


痛い程のリタの視線。



でも、焦っちゃダメだ。ちゃんと心を込めて言いたいから。



早くなる鼓動、脈拍。瞼を閉じて、あたしは一呼吸置いてゆっくり息を吐く。



瞼を開けば絡み合う、視線が。



「……おめでとう、リタ」


短い言葉だけど、ゆっくりと丁寧に。ちゃんと心を込めてリタの誕生日を祝うよ。



だけどリタは怪訝そうな顔で首を傾げる。



「……なにが?」
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