欠陥ドール
それから、時間はあっという間に過ぎた。あたしはただリタの話を聞いていただけだったけど、本当に楽しかった。
今日のパーティーは退屈でつまんなかったとか、どんな小さな事でも、リタの事が知れて嬉しい。
「…なんか俺ばっか話してない?」
会話の途中に何度もそう聞くリタに首を振る。リタの話はずっと聞いてたって飽きない。
「マリーも何か話せよ。たまにはお前の話も聞きたいんだけど」
口を尖らせてそんな事言われたって、何話していいか分かんない。
「なぁーんて、な。お前口下手だもんな」
口を噤むあたしを見てリタは苦笑いした。
「それはまた今度にする。俺も、そろそろ戻らないといけないし。」
「でも…あたしの話なんか、面白くないよ…」
あたしは絶対うまく話せない。きっとパーティーよりも退屈させちゃう。
「あのな…」
リタが呆れたように目を細めてあたしを見た。