スキ、だけどキライ
こうなったらスタンドから無事を祈るしかない。
中3のあたしはベンチに入れるわけもなく、スタンドの応援団長としてみんなを引っ張っていくことになった。
もともとマネージャーとしてベンチ入りするつもりがないからいいけどねー。
『しまってくぞお!!!』
「「「「おう!!!」」」」
キャプテン、西澤先輩のかけ声で円陣を組み、そしてそれぞれのポジションについた。
あたしたちの学校は後攻め。
ということは最初のマウンドに颯太が登るということだ。
あたしは瞬きもせずマウンドを一直線に見つめた。