姫と竜 *王子が誘拐*

朝日がエリーゼの瞼を動かし起こす──…



清々しい空気の清んだ朝。


でも…



3日3晩 草木の中を歩き続けた時よりも

体は、はるかに重かった。

のそりと、冬眠から目が覚めた様にゆっくりと立ち上がり、支度した。





コンコン


「エリーゼ 仕度は出来たか?」


「……。」



部屋をノックしたアクトは返事のない事に少し戸惑ったが、それに構わずに扉を開けた。


中に居ることは分かっていたから…


「勝手に入ってこないで。」

入った瞬間、突き刺さる様な言葉が飛んで来た。

アクトは胸を締め付けられながらも、

要件を手早く説明した。



< 107 / 154 >

この作品をシェア

pagetop