姫と竜 *王子が誘拐*
目前には今まで感じた事のない命が存在していた。息遣いがバルクト王の体を駆け巡る。全体像を把握する事さえ難しいそれに
バルクト王はどうすれば生き延びられるか…どう命乞いをすれば聖地に足を踏み入れた事を許してもらえるのか。
回らない頭で必死に考えていた。
…だがそんな事を考えている内に時間が経過してゆき──呼吸が安定してきた頃 ある事にふと気づく。
許しを乞うたところで果たして獣に通じるのか?
それどころか一山はあろうかとゆう相手、どうみても肉食の獣である筈なのになぜ自分はまだ殺されていないのか?
…いつの間にか考えを巡らせている間に垂れてしまっていた頭を持ち上げ家族達の悲鳴が止んでいたことに内心驚きながら
竜であろうモノの瞳を暗闇の中探した。