姫と竜 *王子が誘拐*

兵の体は痙攣し血溜まりの中に沈んでいく。

だがケモノは満足することなく次の獲物に唸り声をあげている。

「────つ゛っ あっ… っ!あ いやぁあぁ!!」

ケモノは躊躇なく襲いかかり、ひき千切る

無差別に

胸や顔を槍で刺し抵抗されてもビクともしない。

異様な臭いと血しぶきが辺り一体を支配する


次々

次々と…


「姫君! お逃げ下さい!! どうか…姫君!! う…うあぁあ゛ぁ!!!!」


……遂に声をあげる兵はいなくなり

骨を噛み砕く音と

食する音が聞こえてくる。


「やめてえぇ…!!」

「………。」


思わず手で視界を覆ったエリーゼは泣き伏した。

「…私のせいで──。」

ケモノは容赦無く生きたまま喰い漁る。


後悔してももう遅い…


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