姫と竜 *王子が誘拐*

人間よりも寿命が

遥かに長い

竜族の皇子として産まれた。


王族として、自分のあるべき姿を常に考えて行動せよ との教えを父に顔を合わせる度に説かれて育った。


子供の頃の私は


慣例により親子で暮らす事が許されず週に一度、

面会の許される日には久々に父に会えることへの喜びよりも、息子として愛されるより先に皇子としての責務を身体に刻まれる苦痛が 全てであった。


大人に可愛がられはすれど愛される思いをほとんど知らずに育つ。


時が経ち、少しずつ自分自身も大人になり 年頃には女性と付き合う様になり
王妃を迎える為の女性選びも色々と考えたが、結婚にはなかなか踏み出せないでいた。


何故なら 私は…


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