親友!?幼なじみ!?恋人!?


稚早じゃなくて、俺に逃げてくれていれば…、

早く、もっと早くに諦めていたかもしれない。


いつも泣く美波を見て、何もできない自分。


美波の慎吾への想いの強さを知った自分。


それでも、見ているだけだったから…、

全然諦めつかなくて。


「もう…逃げたくないの。弱い自分を隠そうとして、そんな自分がイヤで、稚早に逃げた。稚早は近すぎず遠すぎずの関係だったから逃げやすかったの。 でも、弱い自分も好きなろうと思う。 晃?ごめんね。もう誰かに逃げたくないから」


視線が合う。


けど、想いは通じない。

そう確信した。


だって、美波の瞳は穏やかで真っ直ぐで真剣だったから。




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