親友!?幼なじみ!?恋人!?

空に上げた視線をまた地面の草へと下げた。


納屋にもたれるようにして片足に体重をかけ、もう片方の足を前後に振って足下の草を蹴る。



「もしフラれたら、慰めてやるよ!」


笑い混じりで、冗談のように言う稚早。



でもちゃんと判ってるよ。

それが稚早の本音だってこと。



だから、あえて笑いは入れないよ。


「大丈夫だよ」

静かに言った。



稚早が幼なじみだったらどうなってたかな?


間違いなく、惚れてた…かも。



「真面目になんなって!もしさ…慎吾のヤツに泣かされたら言えよ?殴り込みに行ってやるから!」


“殴り込み”のとこをやけに強調した。



殴り込みって…おいっ!


自然と笑いが零れた。



電話の向こうからは

「笑い事じゃねーよ。本気なんだからな!」

って、笑うわたしに少し怒ったような口調の稚早の声。



うん…

知ってる。


本気って判ったからつい笑いが零れたの。


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