親友!?幼なじみ!?恋人!?

この声…

もの影に隠れるようにして声の方を覗き見た。


慎吾と真琴が向かい合って立っている。


真琴は俯き、両手で涙を拭っているように見える。

慎吾は真琴をじっと見ている。


たしかにさっきの声は慎吾だった。


わたしが聞き間違うわけがない!



でも・・・

慎吾が真琴に言ったことなの?

あんなに幸せそうな二人だったのに。


何かの間違えであってほしい。

そう思うけど、一方では、ほっとしてる醜い自分がいる。



「悪い、真琴…他に好きなヤツがいるんだ」

耳を疑うような慎吾の言葉。


他に好きな人――‥

真琴よりも素敵な人!?


わたし…

ますます敵わないじゃん。


「知ってたよ。
慎吾がわたしを見てくれたことなかったもん…」

さらに疑いたくなる真琴の言葉。


じゃ、最初から?

えっ?

でも、慎吾は真琴のこと好きなんじゃ…


「俺…「言わないで!」

慎吾がなにかを言おうとしたのを、真琴が遮る。


涙を拭う真琴が痛々しく見えた。


「ずっと知ってたから。」

真琴が涙ながらに言い始めた。


「わたしを好きじゃないことも。 慎吾に好きな人がいることも…。晃にヤキモチやいてることも。 慎吾…ずっと…ずっと…美波一筋だもんね?」

















・・・・・・・えっ?


今…なんて?


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