ヴァンパイアの花嫁 番外編②
「っ・・・・あ・・・」


血を吸う音が耳元で勢い良く聞こえる。



ティナの身体の力が一気に抜けて意識が朦朧としてくる。



「っ・・は・・・ぁ・・・・」



この血は一度も飲んだことがないくらいに甘美で最高の血・・・。



この娘を殺すのは惜しい。



そう思った時、バタンと大きな音を立てて扉が開いた。



「獲物に何ちょっかい出しているのよ!」


つかつかと怒りをあらわにしながらティナとアードルフに近づいてくる。



アードルフは仕方なしに顔を上げた。


「シンシア」



アードルフはシンシアと呼んだ女を見た。




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