ヴァンパイアの花嫁 番外編②
獣の目にティナの爪が当たり、ダーモッドの腕を噛む力が一瞬和らいだ。



その瞬間にダーモッドは獣の腹に蹴りいれ離れた。



「ガルルルル」



獣の左目から血が流れ茶色の毛を伝い地面に落ちる。



ダーモッドの腕の噛み跡からもおびただしい血が流れている。



「血・・・」



ティナの瞳がますます紅くなる。



ふらふらといつでも飛び掛る状態の獣の方へ歩いていく。



ティナの様子がおかしい。


「ティナ!何をしているんだよ!」


「血・・・」



ダーモッドの声にただ「血・・・」と発したティナ。


ふらふらと近寄るティナに獣が飛びかかった時、影がよぎった。



次の瞬間、獣はズシンと地響きを立てて地面に横倒しになった。



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