この腕の中で君を想う


「ああ、すまない」


平謝りをして彼女から書類を受け取り、ざっと目を通す



「…いつもながら素晴らしいな。ここだけ少し直してくれ。あとはこのままでいい」



完璧すぎる女


俺は思わず感嘆の声をあげた


「分かりました」


書類を受け取ると一礼して自分のデスクへ戻って行った


「いつ見てもお堅い女だよなぁ」

椅子に座るなり休憩もとらず黙々と仕事を始める女を見て苦笑いを浮かべる


彼女はいわゆるデキル女だ


仕事はここにいる誰よりも早いし、正確にやる


泣き言なんて一つも言わない


ましてや容姿端麗ときたものだからもう何も言えない




良く言えば非の打ち所が無いイイ女


悪く言えば石みたいに堅くてつまらない女



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