ストーカークラブ
「書き込みを読んでいて、聖子とラブ娘と言う二人が、同一人物に好意を持っている事に気が付きました。そして、白石が二人を使って、その人物にストーカー行為をさせている事が分かり、もしかしてその人物とは信太さんの事じゃないかと思った私は、焦りました。何とかしないとって……」


 しばらくの間、優子は言葉に詰まり、消え入りそうな声で「すみません」と謝ってから話し始めた。


「サイトで必死に説得を続けましたが、白石の暴走を止められず、ここ数日、信太さんの家の前で待ち伏せをしている様な書き込みがあったので、私は近くから白石を見張っていました。そしたら、白石が信太さんにナイフを向けたので、慌てて飛び蹴りしたんです。私のせいで、信太さんに嫌な思いをさせ、たくさん迷惑をかけてしまい本当にごめんなさい」


 優子は話し終え、信太に深々と頭を下げた。


「そういう事だったのか。でも優子は何も悪くないよ! 白石を始め、あの掲示板の二人は、元々歪んだ愛し方しか出来なかったんだから。俺もあのサイトを見て、サイトの管理人が、必死にストーカー行為を止めさせる為に説得してたのは知ってたよ。まさかサイトの管理人が、優子だとは知らなかったけどさ。俺を守る為に、優子は危険を冒してまで、白石を見張ってくれたんだな。助けてくれてありがとう」


 優子は堪えきれなくなったのか、大粒の涙をこぼした。


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