ストーカークラブ
 優子の話しで、自分なんかに憧れてくれた事が分かり嬉しかったのが素直な気持ちだった。逆に信太は昔から優子に憧れていたのである。かわいいし、明るく性格も優しい真っ直ぐな優子は高嶺の花だった。

 そこでストーカーの男について考えた。もしかして……。


「優子! もしかして、そのストーカー男って、さっき俺を殺そうとした白石か?」


 信太は無意識に、白石と呼び捨てにしていた。
 そして優子は静かに頷いた。

 やっと最後のパズルのピースが、カチッとはまった気がする。

 でも、じゃあどうして優子は、白石が俺を殺そうとする場所が分かったんだろう? そう疑問に思った所で優子が話し始めた。


「信太さんは私が、あの現場に現れたのを不思議に思いますよね。実は、白石にストーカー行為を止めさせる目的で、ストーカークラブというサイトを作ったんです。何とか止めないと信太さんに迷惑がかかるから……。そして、病院の同僚にも協力してもらって、白石がサイトに来る様に仕向けたんです。もちろん白石には、サイトの管理人が私だという事を知らせずに。そして、白石はいくら説得しても聞く耳持たず、ストーカー行為を改めるどころか、サイトの掲示板を訪れた他の二人の人間をも狂わし、完全なストーカーを作り上げていったのです」


 そこで優子は一呼吸置いてから、再び話し始めた。



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