【短編】happy!
なに、勘違いしてたんだろう…。
今までだって、あっちゃんは私のことこうやって避けてきていたのに。
今日に限って一緒に帰ってくれるかもなんて…
私にもまたあんなふうに笑いかけてくれるかもなんて…
なに、1人で勝手に舞い上がってたんだろう…。
「…ぐす……、」
そう思ったら、涙が自然とじゅわっと目尻を染めていた。
ヒリヒリと痛む手の平も、ズキズキと痛むひざも、投げ出されて汚れたかばんも
押し潰されそうに苦しくて仕方がないこの胸の痛みで、全然気にならなかった。
毎年お祝いしてくれた、私と彼だけの特別。
私の、年に1回の誕生日。
だけど、もしかしたら…このままじゃ、今年はきっと……。
「だめなのかなぁ……っ」
「…何が?」
そのとき、震えた声を思わず口にしていた私の上に、突然影がかかった。