ワタシが殺した
私が怖くないの?
そう問い掛ければ彼女は笑顔で否定するのだろう。
「…今日はここに泊まろう」
目の前のホテルは見た目がボロい分、値段も安い。
バダンッ
部屋のドアを閉めベッドに腰掛ける。
彼女は被っていた帽子を脱ぎ、長くて綺麗な栗色の髪を揺らしながらゆっくりこちらに歩く。
「…ねぇ」
彼女は私の横へ腰掛け、手を握りながらこっちを見る。
「何?」
「…ずっと、逃げ続けられると思う?」