溺愛ラバーズ
パソコンを立ち上げ、やり残した仕事を始めて数十分、ドアをノックする音が聞こえた。





「どうぞ。」


「失礼しま………す?」





…………なんで疑問形?





ドアを開け、固まってしまったまりあさん。





「まりあさん?」


「樹さんのメガネ掛けたの始めて見ました!メガネ似合いますね〜!仕事中は掛けるんですか?」





…………はぁー、疲れる。




「何の用?」


「それと、私の事はまりあで結構ですよ?」





全然、人の話なんか聞いちゃいない…。





「まりあ、何の用だ?」





目を捉え、睨みを効かせながら低い声を出す。





「そうでした!お風呂入りますね!」





そう言って、パタンとドアを閉め風呂に行ってしまった。





調子が狂う……。





人の話を聞いてるようで、聞いてない。





それに、言動がおかしい。




まりあが風呂から上がる頃合いに仕事を中断して、リビングに向う。





このままじゃ、生活リズムが完璧狂ってしまう。





同棲って言ったって、別々に生活する。





いわゆる、家庭内別居みたいなもの。



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