溺愛ラバーズ
ため息が出る。





ため息の原因はまりあだ。




「置かなくていい。」


「植物嫌いですか?」





眉を下げ、ガッカリしたように聞いてくる。





「違う。」


「じゃあ!」


「いい加減にしてくれ!余計な事はするなっ。植物置きたければ、自分の部屋に置けばいいだろ!人の空間にまで入り込むな!」





理解してもらえなくて、思わず声を荒げてしまった。




言いすぎかと思ったが、ここまで言わないとわからないだろう。





「とにかく、自分の部屋は好きにしていいが他の部屋は好き勝手しないでくれ。」


「はい……。」





消えそうな声で返事をしたが、うつ向いてるから顔が見えない。





「俺は寝るから部屋から出て行ってくれ。」


「はい…おやすみなさい…。」





うつ向いてる頭を更に下げ、トボトボと部屋を出て行った。





約束したばっかりなのに、これじゃ意味ないじゃないか。





話してもすぐに逸れるし、突拍子もない事を言い出すし…。





承諾なんかしなければよかったかもな…。





電気を消し、ベッドに入ってその日は眠りに付いた。


< 21 / 213 >

この作品をシェア

pagetop