溺愛ラバーズ
「まりあの婚約者だけどな、高杉樹くんと言う。28歳なんだが優秀で真面目な男だ。」





私の婚約者…高杉さんは若いのに課長だと言っていた。





会社では厳しいって評判らしい。





きっと、仕事が大好きな人なんだと思う。





高杉さんは他人にも厳しいけど、自分にはその倍厳しい人なのかも。





お見合い当日まで凄く待ち遠しかった。





一日一日が過ぎていくごとに、どんな人なのか自分で想像して顔も知らないのにドキドキしてた。





高杉さんとはいずれ、結婚する事になるけど不安も悲しみもない。





根拠はないけど、お父さんの会社の社員だもの。





悪い人なんか一人もいないわ。





「まりあ、私は仕事で行けないがくれぐれも失礼のないようにな。」


「わかってます。」






お見合い当日はお父さんが仕事で出席出来ないから、高杉さんと私の二人だけ。




朝から一分一分がやけに長く感じる。





どんな人なのか、どんな声なのか…高杉さんの事を考えると会えるのが楽しみでたまらないの。





「お姉様〜!今日、本当に行くの!?」



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