溺愛ラバーズ
華奢な体で、色は白く俺の顔2つ分ぐらい低い身長。




初めてまりあを見た気がする。





「樹さん?」





見た気がするんじゃなくて、初めてちゃんとまりあを見たのかもしれない。





視界に入れないようにムキになっていたのか……。





「まりあ……。」





吸い込まれるように、俺の体はまりあに近づいて行く。





頬に手を添えると、ビクッと体が強張ったがお構いなしに、まりあに顔を寄せた。





目の前にまりあの顔が来た時、ドアが音を立て激しく開いた。





「お姉様〜?……って!何してんのよ!」





妹の怒声で目が覚めた。





「えっ?あ、あのっ……。」


「じゃあ、行ってくる。」




顔を真っ赤にさせ、戸惑うまりあをほっとき家を出た。





つまり、逃げたという事。




ありえないだろ……今、キスしようとしてた。





あんな話しを聞いたからか?





『まりあちゃんの事好きなんじゃないの?』





昨日、冴子の言った言葉を思い出す。





嫌いでもないが好きでもない。





自分の行動がわからないなんて、バカげてる…。



< 92 / 213 >

この作品をシェア

pagetop