幸せな結末
「俺、同棲なんかしたことないからさ」

照れくさそうに笑いながら、一也さんはマグカップに口につけた。

それは私も一緒だ。

今までつきあってきた人はいたけど、同棲をするのは一也さんが初めてだ。

「憧れてはいたけど…」

さっきの言葉につけくわえるように、一也さんが言った。

「私も一緒よ?」

呟くような声で言って、私は一也さんを見た。

「同棲は私も初めてだよ。

つきあって一也さんが初めて」

そう言った私に、
「そうか」

一也さんは微笑んで、またマグカップに口をつけた。

つられるように、私もマグカップに口をつけた。

一也さんと暮らすと言うことは、こうして一緒に過ごすって言うことなんだよね?

一緒にお茶を飲んで、話をして、ご飯を食べて、眠って…そんな毎日を、愛しい一也さんと一緒に過ごす。
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