幸せな結末
「楠田さん…ああ、あなたが」

一也さんのお母さんが言った。

えっ、何で知っているの?

電話だけど、私と一也さんのお母さんは初対面だったはずだ

「一也から話は聞いています」

柔らかい口調で、一也さんのお母さんが言った。

「はい、そうですか…」

一也さん、私のことを話してたんだ。

それは嬉しいような、恥ずかしいような…。

何とか適当に雑談をしたけど…これって、一也さんのお母さんと仲良くできたのかな?

「あの、楠田さん」

先ほどまでの柔らかい口調から異なって、真剣な口調で一也さんのお母さんが言った。

聞いてくるのはあの内容だと思い、私は構えた。

「そこに美香ちゃんはきていませんか?」
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