幸せな結末
「美羽、誰だよ」

男が美羽ちゃんに聞いた。

「私が今おつきあいしている人よ」

美羽ちゃんがそう言った瞬間、驚いたと言うように男が目を見開いた。

「あなたとは違って、まじめで優しい人よ」

そう言った美羽ちゃんに、
「ちょっと待てよ!」

男が美羽ちゃんに向かって手を伸ばした。

「触るな!」

俺は男と美羽ちゃんの間に割って入ると、伸ばしかけていた男の手を振り払った。

「お前が美羽ちゃんの何なのかは知らないけど、手を出すな!」

男に向かって俺は怒鳴った。

「何だよ」

男は悔しそうに舌打ちすると、その場から立ち去って行った。

「美羽ちゃん、大丈夫?」

男が去ったことを確認すると、俺は美羽ちゃんに声をかけた。
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