幸せな結末
美羽ちゃんは笑うと、
「私、今日からここでバイトすることになったんです」
と、言った。

「そうなんだ…」

呟くように返事をした俺に、
「若宮さんも、ここで働いているんですか?」

美羽ちゃんが聞いてきた。

「うん、そうだよ」

首を縦に振ってうなずいたら、
「偶然ですね」

美羽ちゃんが言った。

偶然――まさに、その通りだと思った。

けど、信じられないな。

こんなところで再会するなんて、まるで夢を見てるみたいだ。

「この前は、ありがとうございました」

美羽ちゃんが頭を下げた。

「俺も、この前はありがとう」

俺は言った。

信じられないとは言えど、やっぱり会えたのは嬉しい。

その時だった。
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