幸せな結末
けどさ、部下には優しくしてくれたっていいんじゃないの?

そんなことを言いたい俺だけど、彼からの逆鱗(ゲキリン)が怖いのでやめておく。

と言うか、課長のせいで彼女に名前以外の質問を聞けなかったんだよね。

あーあ、俺はどこまでついていないんだろう…。

そう思いながらため息をついた時、
「若宮さん?」

その声が聞こえ、俺は振り向いた。

…ウソ、だろ?

一瞬、夢でも見ているのかと思った。

だってそこには、
「美羽ちゃん…?」

クリスマスに出会った、彼女だったからだ。

美羽ちゃんはキレイな黒髪を1つに束ね、事務員の制服を着ている。

「えっ、何で…?」

目の前の彼女の登場に、俺は驚くことしかできなかった。
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