幸せな結末
「へえ、そうなんですか」

「俺からして見れば、やかましさんはいい人だと思うよ?

ちょっと口うるさいけど」

「私もそう思います。

何だか、お母さんみたいで」

そう言った美羽ちゃんに、
「お母さん?」

俺は首を傾げた。

「実は、高校の時に母を亡くしているんです。

もし母が生きていたら、山梨さんと同い年くらいだったのかなって思って」

悲しそうに眉を下げ、美羽ちゃんが言った。

「あー、そっか…。

ごめんね、嫌なことを言わせちゃって」

そう言った俺に美羽ちゃんは笑うと、
「いえ、気にしないでください。

私の方こそ、こんな話をしてすみません」
と、言った。
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