幸せな結末
社内恋愛って、こんな感じなのかなと思った。

幸い、ここの会社は恋愛にはうるさくない。

社員全員がのびのびと、おおっぴらに恋愛をしている。

俺が知っている限り、10組以上はカップルを見た気がする。

“秘密のオフィスラブ”と言った方がロマンチックだと思うけど…秘密でも何でもないな、この会社は。

そう思いながら、俺はコーヒーを飲んだ。

「若宮じゃない」

声をかけてきたのは、主任だった。

主任は自販機の前に立つと、お金を入れた。

「あ、そうそう。

南野課長が若宮のこと探してたよ」

主任が思い出したと言うように言った。

「ゲッ…!」

俺は自分の顔が青くなったのを感じた。
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