幸せな結末
バスの中、私たちは水族館に向かっていた。

最近できたばかりで行ってみたいからと言う理由で、私たちの意見が一致したのだ。

「こうなったのって、全て俺のせいだよね?」

ため息混じりに一也さんが呟いた。

「本当に気にしなくてもいいから。

一也さんのせいじゃないんだし」

そう言った私に一也さんは優しく微笑むと、
「ありがとう、美羽ちゃん」
と、言った。

「それに…」

私は一也さんの耳元に唇を寄せると、
「一也さんの職場関係が知れてよかったし」

その瞬間、一也さんの顔が燃えたように紅くなった。

「ば、バカ言うな」

紅くなった顔を隠すように、一也さんはうつむいた。
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