七恋
プロローグ
「暑い…」
東京都の辺境、空見市の入り口の踏切の前、暑さに耐えかねた七瀬薫は踏切を待ちながらこれからのことを考えていた。
踏切のけたたましい音とランプが暑さを際立たせている。

それにしても長い。
かれこれ5分くらい踏切を待っている。

町への入り口はここしか知らない薫はまた5分待つことにした。

しかし電車が通らなければ踏切も上がらない。
待ちかねて回り道をしようと踵を返すと突然踏切が上がった。

訳も分からず、なんだか踏切に遊ばれたみたいでいい気にはなれなかった。
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