二人だけの秘密
すると

目をこすりながら澤辺さんがドアを開けた。

「ゴメン。寝とった・・・」

あ、やっぱりね。



「さっきもノックして駄目だったんで。

これで出なかったらもう寝ようと思ってました。

もう寝られるんだったら私は失礼します。」

「いやいや。楽しみに待っとたんやって。パソコンも準備してたんに。

まだ飲み足らんし、どうぞ入って」



そう言われて私は澤辺さんの部屋に入った。

澤辺さんも浴衣に着替えて完全に寝る準備が整ってる感じ。

よかった・・おんなじ感じで。

少し安心した。



澤辺さんはベッドに腰掛けた。

私にはテーブルの椅子を差し出した。

「失礼します」腰掛けると

澤辺さんはさっきコンビニで買ったお酒やらおつまみやらを出してくれて

早速例のお笑い番組を見た。



二人とも大爆笑で夢中になって見ていた。

見ながらどの芸人が好きだのどのネタが好きだのトークは盛り上がった。

話しているうちにどんどん打ち解け合えている感じがした。



やっぱお互い共通の話題ってもりあがるのね。



笑い疲れて時計を見ると

もう夜中の2時に差しかかろうとしていた。

「もうこんな時間。私そろそろ・・・明日も早いし」

「もうこんな時間!?そうだね。」

そう言って明日の集合時間だけ確認して私は部屋を出た。



自分の部屋に戻って

すぐさまベッドにもぐりこんだ。



なんか

色々ヘンな事考えてた自分が恥ずかしくなった。

あんなことやこんなこと・・・あったり?

現実にはやっぱあり得ないことなんだ。



ドラマの見過ぎだね。



でも

もしかしたら??

私の部屋ノックされて・・・

開けたら澤辺さんがいて?

とか?



ふふ・・・

ドラマ影響され過ぎ。

ほんとバカな私。



そんな事考えてる間に私は眠りに落ちていた。



その夜

ドアはノックされることはなかった。




< 12 / 72 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop