二人だけの秘密
澤辺さんの腕に絡みついて
ベッドでまったりする。

いつもは
バタバタとしてしまうけど。

今日は時間がある。

幸せな時間だ。

「一日早いね。あっちゅうまだったね」
澤辺さんがポツリと言った。

「本当に・・・すぐでしたね。
楽しかった」

「うん。」
そう言って
澤辺さんはギューっと強く私を抱きしめた。

私は澤辺さんの背中に手を回して
抱きしめ返した。

ずっとこうしていたい・・・。


でも澤辺さんは
お家に帰らないといけない。

時計を見ると
もうすぐ12時になりそうだった。

「澤辺さん?もうすぐ12時だよ?」

「もうそんな時間かぁ・・・。
まだ大丈夫だよ。」

「でも帰らないと・・・。」

「心配せんでもいいの」
ポンポンと頭をなでてくれた澤辺さん。

離れたくなかったけど
まだ一緒にいたかったけど

私は澤辺さんの腕を離した。

「やっぱ帰らないと。
だめです」
澤辺さんの目を見て言った。

「また会えますよね?」

「うん。まだ出張はあるけど・・・」

「よかったぁ。
じゃぁ今日はもう帰ってください。」

「うん・・・わかったよ」

澤辺さんは身支度を始めた。

澤辺さんの背中を見つめながら
あと何回・・・
あの背中に触れられるんだろう。

そう考えると悲しくなった。


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