二人だけの秘密
出張当日


15時35分発
18時48分着
の電車。

私は澤辺さんの席も準備し、
電車に乗り込んだ。


どうやらビールが好きらしく
買っておいてと頼まれた。


「ちゃんと会話弾むだろうか・・・」
ちょっと不安になりながら
澤辺さんが指定席にやってくるのを待った。


「お疲れ~」
そう言いながら
澤辺さんは私の顔を覗き込んだ。

「あっ。
お疲れ様です。
同行宜しくお願いしますっ」


「いやいや~。
いっつも一人で動いてるし。
誰かと一緒っちゅうのも
たまにはいいねぇ」
澤辺さんはそう言いながら
大きなバッグを肩から外し吊棚に置く。


そしてネクタイを外した。

キレイな指・・・。


思わず
見とれてしまう。


「あっ。これ
言われてたビールです」
缶ビール2本を澤辺さんに差し出す。


「サンキュ」
澤辺さんはニコッとほほ笑むと
さっそくその缶に指をかける。


「もうどこ行くのも
移動長くって~。
飲まないとやってらんないわぁ」
ははは

プシュっと缶を開けると
勢いよくグビグビ飲みだした。


「まっ。
作業は明日からだし。
今日は気楽に行きましょ。
安藤さん」

「はいっ」

なんかイイ人そうでよかったぁ。


澤辺さんはビール飲みながら
このシステムにまつわる話を
色々と聞かせてくれた。



色々話すうちに
共通の知り合いなんかもいて
話が盛り上がった。
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