天使が舞い降りた。

「ストレス…」
 
主治医のその言葉に俺は何も言えなくなってしまう。
 
明らかに自分のせい。

あんなシーン見せられたら、誰だって…。

俺は激しい自己嫌悪に陥る。

「普通の方よりリスクが高いので、気をつけて見てあげて下さいね」

「はい」




俺は自分を責めながら部屋を出た。

そして病室に向かおうとした時、こちら側に歩いてくる美紀の母親の姿に気づく。

「あ、潤一くん」

「お母さん」
 
何度か顔を合わせたことがある美紀の母親。

「ごめんね。私も連絡もらって慌てて」

「すみません」


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