天使が舞い降りた。

「え?」


「俺がいながら」

「そんな。潤一くんが謝ることじゃないのよ。あの子、最近は病状が安定してたけど昔はしょっちゅう…」

「そうなんですか?」

「ええ。潤一くんのおかげ」

美紀の母親はそう言って笑顔を見せる。

「潤一くんと出会ってだいぶ元気になったのよ、あの子。」

「…」

「これからもお願いね」
 
その言葉に俺の心がズキッと痛む。

「あ、お仕事大丈夫なの? 忙しいのに」

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