不器用な彼と素直じゃない彼女
「あ、松下くん!」

絶対声かけられないと
思っていたから
その言葉が意外すぎて
なかなか反応できなかった。

「松下くんってば
他人のフリしないでよ。
私このクラス
友達全然いないんだから
助けてー!!」

そう言って彼女は
またため息をついた。

そっか、多分
俺がいることじゃなくて
友達とクラス離れたことに
ため息ついてるのか。


「さっきからさそればっか…
幸せ逃げるよ?」

普通に喋れた俺!

「いやいやいや
あのクラス替え見た瞬間
逃げる幸せも
失くなりましたよ…。」

新学期というのに
死にそうなこの女子高生。
相当ショックなんですね。
お気持ちご察しいたします。


と言いたいところなんだけど
俺と喋ってくれたことが
嬉しすぎて
あんまり心配はできなかった。

< 17 / 19 >

この作品をシェア

pagetop