たとえばあなたが



ピンポーン~♪

チャイムを押すと、すぐにドアが開いた。



「いらっしゃーい!」

満面の笑みで、萌が出迎えてくれる。

「萌ちゃん、お誘いありがと」

千晶は早速、来る途中で買った手土産を渡した。

「わぁ、ありがとう、ドーナツ!これ大好きなの~」

「ふふ、だから買って来たのよ…って、あれ?」

靴を脱ごうと下を見ると、男物の靴があった。



「もうタカちゃん来てるの?早いね」

「ん?あ、さっき来たとこ」

崇文の家からここまでの距離を考えると、どう見積もっても千晶のほうが早く到着するはずだった。



(どうやって来たのかしら…)




< 289 / 446 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop