恋物語

ぽかぽか





今日は入学式!

でも、あたし達は関係なしに2人で登校中。


しかし、2人で登校とイチャイチャぶりを見せているにもかかわらず晶を見ている人多数。


それはわかるけど……
中学のときもモテてたし
わかる、わかるがしかし!!


ブツブツ独り言を横で言っているひかるを見て溜め息をひとつ漏らす晶。


「はやく行くぞ、遅刻する」

「……え? な、」


一言ひかるに声をかけて手を握りさっきよりもはやく歩きだす。


若干引っ張られながら歩くひかるだが顔はほころんでいる。


(…へへっ♪)







しかし、それもつかの間。

急に立ち止まる晶。
不思議に思い、見上げると同時に手を離す。

嫌だったのかと少し不安になるがそんな必要もない。

(晶の顔、あかい……)


手を握っていない方で顔を覆い、呟く。


「やっぱダメだ…。見られててハズい、」


そう言われれば、さっきまで幸せすぎて気付かなかったが、周りを見てみると此方に視線を向けていて笑っている。


よく聞けば、「可愛い」「入学式なのにすごい」やら小さい声で言っていた。


意外に照れ屋な彼なので耐えきれなかったのだろう。


まだ顔を手で隠している彼の手をとって今度は自分が引っ張るように歩く。

すぐに追い付かれるが……


「なに、どした?」


突然だったからなのか、恥ずかしさより不思議な顔でひかるを見てくる晶。


ひかるはぎゅっと手を握りながら笑顔で言い放つ。


「魔除けっ!!」


「……ま?」


なんだそれ、とでも言いたげな顔だったがひかるはそれを無視し、何故か不機嫌だった。




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