君へ。

No.38


―分かってる。

私が弱音を吐いたら

君を安心させられないって...




























「痛ッ・・・」


「陸?」


「・・・ッは・・・」


「ちょ、ちょっと待っててな?」


























苦しむ君の


背中を擦って


もう片方の手で


ナースコールを押す。




























「どうしましたか?」


「陸が、苦しそうで・・・」


「ちょっと外に出てて下さいね」
























走って来た


医者や看護師さんが


私の目の前を


通り過ぎて行った。

































「陸・・・」

























騒がしくなる


病室の外で


私はただ


呆然とするしか無い。


































「ごめんッ・・・陸・・・」




























両目から


生温い涙が


頬を伝って


手の甲へ落ちた。



































「ッ・・・」






























君を


守る事さえ出来無くて


ごめんね、
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