★悪魔と妹★
「………」
しばらくお兄様とケルベロスさんが探るように見つめあった。
シモン様やアデル様はニコニコ(ニヤニヤ?)成り行きを見守ってらっしゃる。
「無理なら……帰る」
ケルベロスさんは目を伏せ、立ち上がり腕で口をグイッと拭うと
「シモン様。馳走になった」
ペコリと頭を下げ、持ってきた鞄をかついだ。
そのまま店の入り口までスタスタと歩いて行く。
私は、彼が現れた時からこの急速な流れについていけてなかったのだけれど
何故か
気がついたらケルベロスさんの腕にしっかり掴まって、彼が扉から出て行くのを阻止していた。
(正しくは身長差があるためほとんどぶらさがっていた)