★悪魔と妹★



私には「帰る」と目を伏せた彼が

少し寂しそうに見えた。





だから二人の間には私には分かりえないような繋がりがあったのではないかと思ったの。




「えー……空いてるケドさぁ……
そーいう問題じゃあなくて……」


歯切れの悪い返事をなさるお兄様。





「遠くからわざわざ訪ねていらしたのにかわいそうだわ?」





お兄様は困ったように視線を泳がせていたけれど、ジッと見つめていると最終的に大きくため息を吐いた。



「……わかったよ」



それを聞いたケルベロスさんの尻尾がピョコッと反応した。




「そのかわりケルベロス、
君に貸す部屋は妹の部屋と一番離れた部屋だからね



屋敷でボクのいない場所で口でも聞いてごらん?


君がもうアルル・シャークの跡継ぎと名乗れなくなるようなひどいコトをしてやるからね★★」



お、お兄様……

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