うそつきさる
「僕が家まで取りに行くよ」

「だめ! ここで待ってろ」

 さるはそう言って、逃げるように走って行きました。

 ネズミさんはさるを追いました。

 さるのあとをついて行くと、小さなわらの家に入っていきました。

 強い風がふけば吹っ飛んでしまいそうな家でした。

 しばらくして、中からさるが出てきました。

 さるはネズミさんが、家の前にいたので驚きました。

「こ、ここは家じゃないよ。単なる倉庫だから、なくたっていいんだ。地震で壊れようが、火事で燃えようが全然かまわないんだ」


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