教室。

アイツは、私のことを相変わらずの無表情で見つめる。
…正直、こいつの目は気持ちが悪いわ。

「そうだ。父さんの所に輝志のシャツとかあるから、取りに来いってさ」
「え、ああ。なくしたかと思ってた。そっか分かった。今度行くよ」
「うん。じゃあ、彗乃さんもばいばい」
「ええ…」

私の彼氏と親しげに話してから、アイツは去っていく。
気に入らない。
やっぱり、アイツは早めにつぶさないと…

「沙希?どうしたの?顔怖いよ?」
「あ、なんでもないわ。ごめんね、体調悪いみたい」
「そっか、大丈夫?今日はもう送るよ」
「ええ、ありがとう。大好きよ」
「俺も大好き」

私たちは愛を再確認して、家に向かう。












彼の『好き』の真意も知らないまま…
< 35 / 36 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop