この出会いが奇跡なら-上-





「あの真衣、協力するってことは、もちろん成斗と付き合いたいんだよね?」

「……うん」



――そりゃ、そうだよね。

それを耳にして、ズキンと胸が痛む。

何当然な事聞いちゃってるんだろう、あたし。






「うん、分かった。付き合えると、いいね…」

何言ってんの、って自分でも耳を疑う。


「ありがとう」

笑顔を向けてくる真衣に、あたしの心がまたズキンと痛んだ。



「…………」




真衣の好きな相手は、あの女遊びが好きな成斗。

あたしにすら、遊びで色々してきたあいつは、きっと自分が好きだなんて言葉言われたら、ますます面白がって、遊ぶに違いない。



いや、遊びじゃなくて、本気って事もあったりするかもしれない。






成斗があんなじゃなくて、女嫌いなら。

こんなに、不安にならなくても済んだのに。






< 114 / 203 >

この作品をシェア

pagetop